SSブログ

坂本龍一 選■耳の記憶 後編 [音]

坂本龍一 選■耳の記憶 後編

坂本龍一■耳の記憶 後編-1.jpg


前回の続き後編です。

Disc-1
●1. イゴーリ・ストラヴィンスキー 春の祭典から第1部大地礼賛1.序奏
 ゾフォ(ピアノ)
この曲、クラッシック音楽としては、異端な曲なのかな?結構衝撃的なメロディだと思います。ハ長調で始まるのですが、始まってすぐにハ長調ではないメロディが入ります。これは教授の解説の力を借りないと私にはどう説明したらよいのか、予備知識がなさすぎて無理です。教授曰く、20世紀で最も重要な曲の一つじゃないかと。やはり2小節目でハ長調でない対旋律が入っている。全体を通して調がはっきりしているような、していないような曲のようです。冒頭のメロディは有名のようですねぇ。100年前パリで初演された時は客同士が喧嘩するほど評価が分かれたそうです。ピアノの連弾で、私は面白く聴きましたが、その当時は確かに評価が分かれたんだろうなとは想像できるような曲です。機会があれば聴いてください。これに入っていたのはピアノ連弾でしたが、オーケストラ用に編曲もしているようです。
春の祭典→https://youtu.be/XwJaQWhDZkU

●2.クロード・ドビュッシー 交響詩 海から第1曲海の夜明けから真昼まで
 ピエール・ブーレーズ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
この静かな曲だけど、それぞれの演奏が際立つ演奏です。教授の『Last emperor』はこれの影響を受けているのかしら?私はどうもそう感じました。

●3.J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004から シャコンヌ
 ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
あまりにカッコよくで、速攻検索して、ポチっと注文してしまいました。以前この曲全体ではないのですが、あるフレーズだけは聴いていて、曲名がどうしても知りたかったのですが、わからず、やっとここで知ることができました。この中に入っているのは1934年録音ですが、私が購入したのは1956~1957年録音でした。すばらしい演奏です。ヴァイオリンの和音演奏ってすごく迫力がありますね。かなり技術のいる演奏なのは素人の私にもわかりました。
1934年録音→https://youtu.be/8IX0s3HRavk
1957年録音→https://youtu.be/Hdxc2B0vbbE

●4. ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 交響曲第3番英雄から第1楽章
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
これは1952年の録音になります。解説曰く、19世紀的テンポで、テンポの揺れがあります。一定のテンポは20世紀になってからのようですね。どちらが良いのかはわかりませんが、私の好みは揺れがある方が情緒を感じられるのではないかと感じます。やはり揺れというのは人間独特のテンポですから。クラッシックではないですが、グルーブ感というのも、ほんのわずかなズレから生まれているような感じもします。『英雄』はベートーヴェンがナポレオンに触発されて作曲したようですね。(私は知りませんでしたが、有名な話のようです)なので作曲中にナポレオンが皇帝に即位し、激怒したと言われているみたいです。ベートーヴェンはナポレオンがヨーロッパを解放してくれると期待していたようですね。

●5.モーリス・ラヴェル 水の戯れ
 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
冒頭の音の減衰から、水を彷彿させます。解説によるとラヴェルは20世紀的一定のリズムで演奏したそうですが、このアルゲリッチは19世紀的に戻しエモーショナルに演奏しています。ラヴェルの弟子のペルルミュテールの演奏と聴き比べると面白いようですね。
アルゲリッチ→https://youtu.be/0IRJPOerCLA
ペルルミュテール→https://youtu.be/GaOQgj7iXJY
聴き比べたらどっちも良かった・・・。

●6.フランツ・シューベルト ピアノ・ソナタ第11番ヘ短調D.625から第3楽章
 アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
すごく速い曲です。作曲に詳しくない私にはわからなかったのですが、解説曰く第1楽章と第3楽章はヘ短調なのに、第2楽章はホ長調になっているのは古典派ではない調性だそうです。

●7.フレデリック・ショパン 舟歌 嬰ヘ長調作品60
 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
5曲目と同じくアルゲリッチの演奏です。この方の演奏はすごく情緒があり、うねりを感じます。舟歌はヴェネツィアのゴンドラ漕ぎが歌うような鼻歌のようなものらしいです。この解説を読むと、やはりうねりは欲しいなと感じました。(ゴンドラ漕ぎの歌っている姿を想像しながら聴くのもいいかも)

●8.フランシス・プーランク オーボエソナタから第1楽章エレジー
 パスカル・ロジェ(ピアノ) モーリス・ブールグ(オーボエ)
オーボエという楽器自体あまり身近にないので、意識したことはないのですが、哀愁のある音色ですね。昔のドラマに効果音として使っていた?この曲の作曲者、プーランクは初めて名前を知った作曲家です。

Disc2
●1.リヒャルト・ワーグナー 舞台神聖祝典劇『パルジファル』から第1幕への前奏曲
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団
幻想的な雰囲気の曲です。神聖祝典劇『パルジファル』というのがわからなく、解説ではなくWikiってしまいました。キリスト教に基づく聖杯伝説のようですね。前奏曲ですから、荘厳な始まりです。
パルジファル・Wiki→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB

●2.セザール・フランク ヴァイオリン・ソナタイ長調から第1楽章
 ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)  ジャック・ルヴィエ(ピアノ)
解説によるとあまり一般的でないとのことですが、私は聴いた事はありました。曲名までは知りませんでしたが、メロディが特徴的だったので、記憶していたのかもしれません。作曲家は必ず勉強する曲だそうです。この曲60歳を過ぎてから作曲した曲だそうです。人生経験豊かな方が作曲したと言われて納得するような曲です。ヴァイオリンの音色いいです。カントロフ、また探してみます。

●3.アントン・ブルックナー交響曲第5番変ロ長調から第1楽章
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
まぁ、壮大な始まりです。正直この壮大さは、私にはまだまだ理解できていないと思います。どうも聞き流してしまっているようです。

●4.ヨハネス・ブラームス 4つのピアノ小品作品119から第1曲ロ短調
 ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
感想としては、フワッとした曲。ピアノの練習曲にありそうです。間奏曲だそうです。元々幕間に演奏された曲をシューマンやブラームスが独立させたようですね。

●5.フレデリック・ショパン 24の前奏曲作品28から第1番ハ長調
 サンソン・フランソワ(ピアノ)
すごく短い曲ですが、結構激しくアルペジオが展開しています。

ロベルト・シューマン 交響的練習曲作品13から
●6.Theme Andante
●7.Etude Ⅰ
●8.Variation Ⅱ
●9.Etude Ⅲ
●10.Variation Ⅲ
●11.Variation Ⅳ
●12.Variation Ⅴ
●13.Variation Ⅵ
●14.Variation Ⅶ
 イーヴォ・ポゴレリッチ(ピアノ)
解説曰く『練習曲』とあるが『変奏曲』だそうです。アンダンテの意味はテンポの速さですが、アレグロ程速くなく、アダージョとの間のテンポですね。エチュードは練習曲、ヴァリエーションは変化です。曲自体はタイトルそのままです。でもね、これ、難しそうですが弾くのは楽しいと思います。

●15.J.S.バッハ フーガの技法 コントラプンクトゥスⅠ
 フレットワーク
前編で少し紹介していますが、古楽器のヴィヨールの演奏です。バッハの最後の作品で未完です。未完のまま演奏されているので突然終わるのが、衝撃的で寂しく感じます。バッハの綴り、BACH(ロイハロ)がテーマに入っている部分があります。Hはドイツ語でBです。子供の頃ドレミファソラシド、ハニホヘトイロハ、CDEFGABC(英語読み)、とCDEFGAHC(ドイツ語のツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー、ツェー)も覚えさせられたのよねぇ。たぶん幼稚園か小学校1年生の時だったと思う。小さい時に覚えたので忘れられないのだわ。エレクトーンは左手がコードを弾くのが殆どだったので、覚えさせられたのかな?

●16.フェデリコ・モンポウ 歌と踊り第6曲
 フェデリコ・モンポウ(ピアノ)
解説より、スペインのカタルーニャ地方の作曲家だそうです。すごく情熱的な綺麗な曲です。私は結構好きです。作曲家自身が演奏しています。

Disc3
●1.ジョン・アダムス フリギアの門
 ラルフ・ヴァン・ラート(ピアノ)
解説でも比べていましたが、スティーブ・ライヒのミニマルミュージックとは少し違う、なんともいえない綺麗な旋律です。ライヒは私も大好きでよく聴きますが、ライヒのようにミニマルなのにシャープな音楽と違い、どちらかというと流れるような雰囲気です。激しい部分もあるのですが、やはり、流れを感じます。結構好きかなぁ、これ。また探してみようかと思います。

●2.クロード・ドビュッシー フルート、ヴィオラとハープのためのソナタから第1楽章
 トリオ・メディシス
フルートって不思議な音色に感じます。何というか空気の抜け感がね。解説によるとこの曲の演奏で大御所の有名なのがあるそうですが、教授曰くそちらはフルートが野太いそうで、こちらの“わびさび”感のある方を選んだそうです。

●3.マヌエル・ブランカフォルト 過ぎ去りし日々の覚書 La Lluna Brilla
 ミケル・ビリャルバ(ピアノ)
この曲もフェデリコ・モンポウと同じスペインの作曲家だそうです。スペインというとフラメンコのイメージから情熱的なイメージがありますが、モンポウもビリャルバも寂しくなるような、悲しい音楽です。30代の頃一度スペインへ旅行に行ったことがあるのですが、アンダルシア地方を周った為カタルーニャ地方には行っていない。行ったことがある地方であれば、地方色にこだわったものを感じ取れたのかもしれません。

●4.ロベルト・シューマン ピアノ三重奏曲第3番ト短調から第1楽章
 ボロディン・トリオ
ピアノ曲ですが、ヴァイオリンが印象的な曲です。解説によるとシューマンは自殺未遂をし、療養所で46歳で亡くなったそうです。早い死ですよね。繊細なメランコリックな方だったのではないかと想像してしまうような曲です。

●5.クロード・ドビュッシー 前奏曲第2巻から第5曲ヒースの茂る荒野
 アルトゥーロ・ベネゲッティ・ミケランジェリ(ピアノ)
すごく綺麗なピアノの旋律です。教授が一番好きなピアニストだそうです。

●6.ガブリエル・フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.13から第1楽章
 カン・ドンスク(ヴァイオリン) パスカル・ドゥヴァイヨン(ピアノ)
抒情的な曲です。若い頃の曲のようですね。解説にあったエピソードが中々可愛らしいエピソードでした。フォーレは長い間パリの音楽院の学長だったそうです。そういう人物がドビュッシーに嫉妬していたとの事。で、ドビュッシーの弦楽四重奏曲を聴いて「こんなすごいものを書かれたんじゃ、もう私は一生、弦楽四重奏曲は書かない」と言って何十年も書かなかったそうですが、ラヴェルや弟子たちに懇願され、書いたのが渋くて、悪くない曲。との事。そっちは紹介されていませんでしたね。

●7.ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466から第2楽章ロマンス
 ルドルフ・ゼルキン(ピアノ) クラウディオ・アバド指揮 ロンドン交響楽団
モーツァルトは私には上品すぎるような感じがします。しかし、解説にはモーツァルトは天使性と悪魔的な部分と同居している。『ドン・ジョヴァンニ』や『レクイエム』は悪魔の方のようですね。

●8.ドメニコ・スカルラッティ ソナタロ短調K.87
ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
この曲自体はう~ん、普通という感想だったのですが、この曲の解説が面白かったです。教授はスカルラッティも演奏者のホロヴィッツも好きではないと宣言しているのですが、数年前にYoutubeで見た演奏が素晴らしかったから紹介したようです。見たのはホロヴィッツの最晩年の演奏で豆腐を切るような演奏だったそうです。

これで後編は終了です。私はどちらかと言えば前編より後編の方が好きです。ユーディ・メニューインを知ることも出来たし、他にも探して聴こうと思ったものがあった。こういう色々な曲をオムニバスで集めているCDは他にもあると思うのですが、そのチョイスが自分に合うかどうかは結構賭けになると思います。その点この2つは坂本龍一 選という事で安心して買うことが出来ました。次はやっぱ、高いけれど『schola』を買い揃えるべきか・・・・。宝くじでも当たらないかしらねぇ。(願望というか懇望)










J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080 (6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版) BACH : The Art of Fugue / FRETWORK) [catalogue CD] [limited edition]

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080 (6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版) BACH : The Art of Fugue / FRETWORK) [catalogue CD] [limited edition]

  • アーティスト: フレットワーク,J.S. バッハ
  • 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
  • 発売日: 2010/06/17
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。