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横溝正史■病院坂の首縊りの家-1 [書]

横溝正史■病院坂の首縊りの家-1
巣籠日記 2■2●2021.04.26

先日古い本を出して読んでいて、文字の大きさの違いの写真を載せていました。
何を読んでいたかというと
2021.04.26■横溝正史■病院坂の首縊りの家.jpg

 
横溝正史の「病院坂の首縊りの家」
上・下巻あります。
金田一耕助最後の事件のこの本、少し前からもう一度読みたかったのですが、本棚の結構奥にあり、重なって収納している本を50冊は除けないと取れなかったので、後回しになっていました。読んだのは多分30年程前かな?おかげで細かい部分は覚えていたりするのですが、殆ど忘れていました。1度読み、もう一度細かい所が気になり、もう一度読みました。(再読の間に別の本を3冊ほど読みましたが)2度読んだら、内容を纏めたくなり、家系図等も作ってみたりしていました。内容を紹介する前に、何といっても登場人物というか、やはり家族構成が重要になってくる。

●法眼琢磨
幕末さる東北の大藩の典医。性格は豪放磊落、奔放逸脱だったようで、知り合いには結構いかがわしい人物もあり。後で登場する五十嵐剛蔵もその一人である。九段で医家として開業
●法眼鉄馬
琢磨の長子として生まれ、幼名銀之助。父親に似ず謹直な性格。
明治14年学校卒業。→陸軍軍医
(明治15年宮坂すみとの間に琢磨が生まれる)
明治17年ドイツ留学
明治21年父親の盟友五十嵐剛蔵の娘・朝子と結婚。
陸軍軍医→陸軍大学の教官。エリートコースを進んでいたが、日露戦争の頃の医療物資の不正の疑獄で貧乏クジを引き、退職(明治40年)。その後
明治42年に法眼病院設立。鉄馬48歳。
(明治36年正妻朝子との間に子供がなかった為、庶子である琢磨を養子縁組)
●朝子
五十嵐剛蔵の娘で鉄馬の正妻。毒にも薬にもならないといわれた女性。子供なし。
●千鶴
鉄馬の腹違いの8つ下の妹。ひじょうな美人。桜井と結婚するが死別(日清戦争で戦死)。弥生の母親。夫と死別後家長の命令で朝子の弟、五十嵐猛造と結婚。
●琢也
鉄馬と宮坂すみの庶子。明治36年に法眼家に養子縁組。弥生と結婚。佐藤冬子を池之端に囲い、小雪が生まれる。冬子の前夫の子供である敏男を可愛がる。詩人でもある。「風鈴集」という本あり。
●弥生
この話の重要人物。
千鶴と桜井健一の娘。千鶴に似て、美人。伯父の鉄馬を尊敬している。猛蔵には懐いている。
従兄弟である琢磨と結婚。万里子を生む。由香利の祖母。頭の回転が速く、決断力・胆力・実行力あり。稀代の才女。法眼病院と五十嵐産業の会長。
●万里子
弥生の娘。法眼病院の内科医三郎と結婚。由香利を生む。母親に似ず大柄で美人とは言い難かったようである。我儘に育ち傲慢。自分の運転する車で崖に落ち死亡。
●由香利
万里子の娘で、弥生の孫。気が強く、自由奔放な性格。五十嵐猛蔵のひ孫の滋と結婚→アメリカに。
●宮坂すみ
法眼鉄馬の妾として、池之端に囲われる。琢也の母親。
●鉄也
由香利の息子。父親は山内敏男?
●佐藤冬子
敏男という連れ子のある山内と結婚、山内死別後敏男を育てる。その後琢也の妾になり池之端に囲われる。生活能力はなかったが琢也の子供小雪を生む。戦後、空襲にあった池之端の家の中で首を吊り死亡。
●小雪
佐藤冬子と法眼琢也の娘。母親の死後、血のつながらない兄敏男と暮らす。「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のヴォーカル。弥生の孫由香利と同じ年。その上容貌も生き写しである。
●山内敏男
佐藤冬子の前夫の息子。冬子に育てられる。「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のトランペット奏者。バンドマスター。通称ビンちゃん。

で、原作の家系図を参考に作った家系図が
2021.04.26■横溝正史■病院坂の首縊りの家  法眼家の家系図●4.jpg


●五十嵐剛蔵
法眼琢磨の同郷の盟友で、年も近い。法眼鉄馬の舅。琢磨と相前後して東京に上京。かなりアクの強い人物で、いつの間にか大官に取り入り、政商に成り上っている。
●五十嵐猛蔵
五十嵐剛蔵の息子。幼時より父の同業者に育てられ、商売のウラやヤミをもくぐってきた。剛蔵に輪をかけてアクの強い人物。自分の姉の夫の妹・千鶴に懸想し、千鶴の娘・弥生をも手玉に乗せ、結婚する。千鶴との間に泰蔵あり。血の分けた息子泰蔵より弥生を可愛がる。
●五十嵐泰蔵
猛蔵と千鶴の息子。なぜか猛蔵に冷遇される。女中の光枝と駆け落ちするが、その後結婚。
●五十嵐透
泰蔵と光枝の息子。金銭目的であったような女との間に滋あり。
●五十嵐滋
透の息子。アメリカに留学し、帰国後法眼由香利と結婚。

こちらが五十嵐家の家系図

2021.04.26■横溝正史■病院坂の首縊りの家  五十嵐家の家系図●2.jpg


その他
●本條徳兵衛
明治25年創業の本條写真館の3代目
●本條直吉
徳兵衛の息子。
●兵頭房太郎
本條徳兵衛に育てられ、写真館で働く。その後退職し写真家になる。

●佐川哲也
「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のドラム。→「パイレーツ」のリーダー
●秋山風太郎
「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のピアノ。後の作曲家秋山浩二
●原田雅美
「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のテナー・サックス。電気器具商。
●吉沢平吉
「怒れる海賊たち(アングリーパイレーツ)」のギター。日曜大工センターのマネージャー

以上が主要登場人物。かなりの人数を書きましたが、取り敢えず法眼家は大事です。

内容まで書くと明日になってしまいそうなので、続きは後日。







病院坂の首縊りの家―金田一耕助最後の事件 (1978年) (角川文庫)

病院坂の首縊りの家―金田一耕助最後の事件 (1978年) (角川文庫)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2021/04/26
  • メディア: 文庫



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