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京極夏彦■邪魅の雫 [書]

京極夏彦■邪魅の雫

京極夏彦■9 邪魅の雫●講談社ノベルズ.jpg


このシリーズの講談社ノベルズで出す最後みたいです。次はどこで出すのかしら?
これ、発売当時同じ事務所の大沢在昌氏の『狼花』と同時発売で大阪でもサイン&トーク会があり、応募したら当選したので、名前入りサイン本です。大沢在昌氏の新宿鮫シリーズももちろん読んでいたので、その2冊持って行ってきました。そんなに大人数のサイン会ではなかった記憶があります。2006年だったので、そんなにみんなサイトとかチェックしてなかったのかな?大沢オフィスのサイト『大極宮』で応募しましたねぇ。

大極宮のサイト→http://www.osawa-office.co.jp/

京極夏彦■邪魅の雫 サイン-3.jpg

目の前で書いてくれました。
この本は地区限定の特装版がありました。作品の舞台大磯・平塚限定で。でも結構大阪でもちょくちょくみたのよねぇ。私も持っています。
京極夏彦■9 邪魅の雫 大磯 平塚地区限定特装版●講談社ノベルズ.jpg

装丁がカッコよかったので買ってしまいました。現地でもないのに。

この話は、探偵・榎木津礼二郎の話ですねぇ。
まず画家・西田新造と神奈川県警の石井寛爾との会話から始まります。
石井寛爾は「魍魎の匣」では警部から降格され、「狂骨の夢」では警部に返り咲き、「鉄鼠の檻」にも登場します。西田新造は自称世間と関わりがない世間知らずのようだ。旧友の石井寛爾が警察官だと新聞で知っていたので、罪についての質問というか相談をしていた。付きまといは罪になるのか?付きまとうだけで、何もしない。何もしないが付きまとわれている本人は嫌がっているけれど、それも罪にならないのか?人を殺したら死刑になるのか?石井寛治は西田の意図はわからないが、動機や状況、裁判や量刑、情状酌量や執行猶予、社会的更生、時効等の一般的な内容の説明を述べる。
次の場面は榎木津探偵事務所。榎木津礼二郎の親類の今出川欣一と探偵助手・益田龍一の会話です。今出川は礼二郎に結婚をさせたがっていた。なので、縁談話をいくつか設定した。らしいが、破談した。というか縁談自体が成立する前の破談だ。榎木津自身にはまだ写真すらみせていない、先方に話を持って行っただけ。見合いをしてから、交際を始めてから止めるならわかる。その前段階での破談だ。旧華族で榎木津グループの次男だが御曹司で、先方に渡した写真は俳優並に写っている。学歴も高く、見栄えも良く、世評も良い。それなのに、軒並み破談。今出川はどうしても怪訝しいと。福山家、来宮家、宇都宮家、3件とも断りの連絡があった。宇都宮家は先方からの話なのにだ。来宮家のお嬢さんは学生時代の榎木津の噂を知っていて喜んでいた。のに。今出川は最初、益田龍一や安和寅吉が榎木津に頼まれて妨害をしているかと思ったらしいが、人殺し迄はしないとわかっているので、疑いはなくなっている。殺されたのは正確には見合い相手本人ではなく、妹らしい。今出川によると3件とも縁談を断る理由がどうもわからない。鎌を掛けて聞いてみたがわからない。榎木津家に対する嫌がらせにしても、怪訝しい。榎木津家にはまだ話がいっていないのだから、知らないので嫌がらせにもならない。無意味な嫌がらせ?陰謀?そこで今出川は元警察官の益田に礼二郎に黙って調べる事を依頼した。
次は平塚のアパートで女性の死体。女性の名は真壁恵。発見者は酒屋・澤福の従業員江藤徹也。
次は刑事・木場修太郎と後輩青木文蔵の会話。二人は伊豆の事件(塗仏の宴)での警察官服務規程違反で処分されていた。青木は訓告・減棒の上所轄内での制服を着た派出所勤務。青木は管轄内で起こった商社社員の男性が河原で死んでいた事件で最初に通報を受け最初に現場に行っていた。が、色々と納得が行かないらしい。そこで木場に相談をしていた。被害者の名前は澤井健一。死因は青酸加哩による中毒死。そしてなぜか公安一課の郷嶋郡治が出張って来ていた。それも事件が理由ではなく、商社社員の澤井をマークしている様子だと青木は感じていた。澤井は戦時中満州にいた。それも防疫給水部隊に配属されていた。木場はこの事件、肝は死因ではないかと思うと言った。
次の登場人物は元警察官の大鷹。大鷹は「陰摩羅鬼の瑕」の中でかなりずれた感覚の刑事だった。今作では完全に莫迦だ。愚かとの事。今まで長い間まともな成人男性のふりをして社会生活を送って来ていたが、一人前だと勘違いし、莫迦だと気付かずにきた。薄々は感じていたが知らぬふりをしていた。記憶力も理解力もあるが、物事を関連付けて論理を構築することが出来ない。大鷹は困難なりに社会生活を送ってきたが、破綻した。そして凡て(すべて)を捨てて逃げ出した。そして到着したのが大磯海岸だった。海を眺めていた。そして、死のうかと思っていた。そしてそこで出会った女性と話をした。

ここまでが話のさわりですね。防疫給水部隊と青酸加哩とくれば、帝銀事件を思い出しますね。731部隊、石井四郎の部隊ですね。表立って言えない内容らしきものが見え隠れし、関連しているワードが出ていますね。そして連続殺人事件?連続なのか、関連はしているが別の事件なのか?この辺は横溝正史の「獄門島」を思い出します。榎木津礼二郎の話ですが、今回はあまり登場する場面は少ないし、いつものように暴れていません。

この話、私は「鉄鼠の檻」と並んでお気に入りです。講談社ノベルズで全部揃えていたのですが、この作品が講談社ノベルズで出す京極堂シリーズの最後だそうです。重版もないようです。今後は形態を変えての販売だそうです。シリーズの続きはあるようですが、違うところから出すようです。原因はネット上で噂は流れていましたが、あくまで噂なので、ここで書くつもりはないです。読者は出版を待つのみです。

詳細は→http://www.osawa-office.co.jp/weekly_bn/364.html
厨子王の逆襲~京極夏彦のコーナー~に掲載しています。

そういえば帝銀事件で思い出しましたが、私は過去に帝銀事件についての記事を書いたことがあるのですが、少し前、やたらその記事にアクセスがあるので、何だろうな?と思っていたのですが、理由がわかりました。録画していたドラマ「刑事7人」を見ていたら、帝国銀行を帝都貴金属に変え、過去の事件・帝金事件という設定があったのだわ。2010年の記事のアクセスが高いと何事?と思いますね。その頃はやたら昭和初期の事件に興味があり、帝銀事件、下山事件、226事件についての本を読んでいました。特に226事件についてはやたら調べいて、記事にしようと、下書きフォルダに途中まで書いて放置したままです。10年近く放置したままなので、続きを書くことがあるのかなぁ?まぁ、今でも昭和初期から私が生まれる頃迄に興味があるので色々読みますし、また何か引っかかることがあれば書くかもしれないですね。



邪魅の雫 (講談社ノベルス)

邪魅の雫 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/27
  • メディア: 新書




邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 (講談社ノベルス)

邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/27
  • メディア: 新書




最近はいつも月に2回は連休を取るようにして、連休の1日を自分の趣味の時間にするようにしています。本を読んだり、CD聴いたり、手芸したりです。文章を書くことも好きなので、ブログも楽しみの一つですね。前回の連休は台風19号が接近していたので、姉も休みだったので二人で外の植木を、まだ建て替えていない物置の中に移したり、余計な物を捨てたり、台風に備えていました。去年の教訓がありますからねぇ。今年はやたら関東に被害が集中していますね。大陸からの風や、太平洋の水温が高くなっているからとか、色々TVなんかで説明していますが、自然の事は変えられないので、守るしかない。我が家は川が近くにあり、土地も低く、平屋1階建てなので、降雨量が多いと毎回ヒヤヒヤします。

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