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グレン・グールド■坂本龍一セレクション バッハ編 [音]

GLENN GOULD■RYUICHI SAKAMOTO SELECTIONS The Art of J.S.Bach
グレン・グールド■坂本龍一セレクション バッハ編

GLENN-GOULD■坂本龍一セレクション バッハ.jpg


届いたその日に聴きました。前回のバッハ以外の方ではCDを聴いたのみで、中に入っていた冊子は見てなかったのですが、今回見てみたら、宮澤淳一(青山学院准教授)との対談で解説が入っていました。なので、前回のを先に読んでから、今回のを曲を聴きながら読みました。
DISC1
1. ゴールドベルク変奏曲 BWV988~アリア(1955年録音)
先日の記事のゴールドベルク変奏曲です。何度聴いても飽きないきれいなメロディです。やはりこの有名な曲を
選曲の1曲目に持ってきています。
宮澤:グレン・グールドのデビュー盤で歴史的名盤ですから、オープニングにふさわしく聴き始めましたが・・・ 坂本:・・・僕個人のグールド体験から言ってもいちばん最初ですし、もちろん、誰にとっても大切な演奏ですから、やはりはずせないと。・・・
私が買ったCDは失敗ではなかったと少し安心しました。(気に入っているので失敗でもどっちでもいいのですが)

2. インヴェンションとシンフォニア~シンフォニア第9番ヘ短調BWV795(未編集スタジオ・セッション)
解説によると最近発掘された未編集のアウトテイクだそうで、理由は不明ですが、ボツになったそうです。どうもゴールドベルク変奏曲より早くに録音されたもののようです。インヴェンションとシンフォニアは後で全曲録音し1枚のアルバムで出ているそうです。テンポはこちらの方がゆっくり。未編集なので若き日のグールドの生声、スタッフとの会話も聞こえます。

3. ピアノ協奏曲第1番ニ短調BWV1052 第3楽章アレグロ
弦楽器とピアノの響きがきれいな豪華な曲です。アレグロは音楽用語では「速く」ですが、イタリア語では「陽気な、快活な」という意味。私はたぶんこのアルバムの中で一番好きな演奏かな。
宮澤:・・・このバッハの第1番はグールドがおそらく人前で一番弾いた協奏曲なんです。57年5月にレニングラードで弾いたライヴがあって、ちなみにそのときにも一緒に弾いたのがベートーベンのピアノ協奏曲第2番で、その2曲がグールドがいちばん好きな協奏曲だったようです。・・・

パルティータ第6番ホ短調BWV830 
4. Ⅱアルマンド
流れるようなしっとりとした演奏です。左手のアルペジオがすごくきれいです。
坂本:これはグールドの演奏のひとつの特徴であるレガートというか、とても歌っているでしょう?そして左手のアルペジオの絶妙のタイミングね、そこに右手のメロディが揺れて乗っていくという独特のスタイルが、いちばんよく現れている演奏だと思います。・・・・・・
※レガート 私の認識では流れるように弾くって感じかな。調べると音楽の記号のスラーで表されているのと同じ表現のようです。

5. Ⅶジーク
タッチのはっきりした半音階的な曲です。グールドの演奏しながらの鼻歌がよく聞こえます。

6. ピアノ協奏曲第5番BWV1056~第2楽章ラルゴ
広大な田園風景を思い浮かべるような曲です。坂本龍一も「田園的」と表現していました。

7. イタリア協奏曲ヘ長調BWV971~第2楽章アンダンテ
右手のメロディが歌うような感じです。
宮澤:・・・このイタリア協奏曲は独奏楽器とオーケストラの対比の様式を1台の鍵盤楽器に移し変えた、という作品ですね。 坂本:映像を見ないで聴いても、内声とベースとメロディがはっきりわかります。音色もスラーの感じも全然違うしきちんとコントロールされている演奏ですね。

平均律クラヴィーア曲集第1巻
~前奏曲とフーガ第14番嬰ヘ短調BWV859
8. 前奏曲
9. フーガ
とても心地良いメロディの旋律です。グールドのタッチがすごく心地良いです。
平均律やフーガというクラッシックの専門用語がふんだんのタイトルです。正直私も長年楽器を習っていたので、ある程度の用語は説明できますが、いかんせん、POPS中心のエレクトーンだったので、クラッシックに多い専門用語は調べてある程度こうだろうな?と納得はしていても実際クラッシックピアノを弾いて習得した知識ではないため、咀嚼してうまく説明が書けません。すみません。

10. インヴェンションとシンフォニア~シンフォニア第5番BWV791
左手のアルペジオがとても優しく入っています。
坂本:・・・右手と左手の本当に絶妙なタイミングによって生まれてくる、その見本みたいな演奏です。 宮澤:・・・ピアノの鍵盤の感触を味わっているようなイメージもありますよね? 坂本:・・・こういう曲だから、極上のお菓子でも食べているように、味わいながら弾いていたのかもしれません。
平均律クラヴィーア曲集第2巻
~前奏曲とフーガ第4番嬰ハ短調BWV873
11. 前奏曲
12. フーガ
しっとりとした前奏曲から、勢いの良いフーガがある意味爽やかな疾走感があり気持ち良いです。
解説でも疾風怒濤、バリバリバリって疾走するグールドと書かれていました。

13. ピアノ協奏曲第3番ニ長調BWV1054~第2楽章アダージョ・エ・ピアノ・センプレ
これもしっとりとした曲です。恋愛映画のバックに流れていそうな曲です。指が攣りそうなトリルがあります。坂本龍一曰く「教科書の様な正確なトリル」
※トリル:2音を2本の指で交互に弾くこと

14. ピアノ協奏曲第7番ト短調BWV1058~第1楽章アレグロ
綺麗な弦楽器に合わせ響きの良い単旋律が聴き入ってしまいますねぇ。私は弦楽器も好きなので、弦楽器との協奏曲は大好きです。

15. ピアノ協奏曲第4番イ長調BWV1055~第2楽章ラルゲット
これも映画のそれもオープニングからかかっていそうな曲です。しっとりとした曲なのに、弦楽器との掛け合いの様な所が印象深い。

平均律クラヴィーア曲集第2巻
~前奏曲とフーガ第20番イ短調BWV889
16. 前奏曲
17. フーガ
前奏曲の半音階がすごく印象的で左手の下っていく音階が気持ちいいのか不思議な感覚に陥り、ついついもう1回聴きたくなる。坂本龍一は現代音楽のようで一生忘れられない曲とのこと。グールドにしては素直な演奏だそうです。これは私も坂本龍一と同じ感想ですがフーガより前奏曲の方がいいと思いました。

平均律クラヴィーア曲集第2巻
~前奏曲とフーガ第23番ロ短調BWV892
18. 前奏曲
19. フーガ
これは流麗という言葉が合うすごく綺麗な曲で、演奏です。宮澤淳一曰く「チャーミングな演奏」

はぁ、珍しく1曲ずつ感想書いていたら、19曲あったので、1つの記事には長いのでDISC2は次の機会にします。このCDは私にはすごく気持ちの良いリピートが多くなりそうな1枚でした。なので、DISC2はまだじっくり聴いていないんです。いつも朝の通勤時間は音楽鑑賞と決めているので、その時に2枚目もしっかり聴こうと思っています。



グレン・グールド 坂本龍一セレクション バッハ編

グレン・グールド 坂本龍一セレクション バッハ編

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/12/02
  • メディア: CD



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グレングールド■バッハ ゴールドベルク変奏曲 [音]


GLENN GOULD■BACH THE GOLDBERG VARIATION
グレングールド■バッハ ゴールドベルク変奏曲

少し前にも書きましたが、長年色々な音楽を聴いてきた割にクラッシックには中々手が出せないでいたのですが、唯一子供頃から好きなバッハはやはり聴きたくなり、少し前にヘルムート・ヴァルヒャのパイプオルガン、チェンバロのCDを購入し聴いていたのですが、やはり好きなピアノの音色で聴きたいと思っていたのですが、誰の演奏が自分に合うのか全くわからなかった。そういう時は私の好きな坂本龍一の意見を参考にして聴き始めようと思い、坂本龍一チョイスと思ってまずこれを

GLENN-GOULD■坂本龍一セレクション.jpg


坂本龍一セレクションのグレングールドのCDって2枚あったのに、間違えてバッハ以外の方のを買ってしまった。まぁ、グレングールドの演奏は好きなタイプだったのでそれはそれでいいのだけれど、こっちはわざとバッハをはずした方なのでどうしてもバッハが聴きたくなり、取り敢えずグレングールドを調べたら「ゴールドベルク変奏曲」が有名だとわかったので、まずそっちを購入することに。

GLENN-GOULD■ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル録音).jpg


これは1955年録音のモノラルでした。グレングールド23歳の時の演奏です。私の持っていたクラッシックのピアノの演奏のイメージとは違いすごく聴き易い。何が違うのかと思ったのですが、たぶんピアノのタッチ、特にスタッカート(1音1音跳ねたようなタッチ)の使い方なのかなぁ?曲自体は知っていたのですが他の人の演奏はあまり印象に残る演奏ではなかったので、詳しくはわからないのですが、やはりタッチだと思うんです。女の人の演奏でもスタッカートはあるし、ジャズの演奏者等は力強いタッチだと思うのですが、女の方だと鍵盤に指を置いている時間が男の方より長くなってしまうと思う。これは指の力の差だと思うので、どうしようもないし、それはそれでどちらも長所、短所はあると思う。特にこのグレングールドは23歳の若い時で若い時特有のタッチなのかもしれない。1981年の49歳の時にこの「ゴールドベルク変奏曲」のデジタル録音盤があるのですが、Youtubeで聴き比べがあり、聴いてみたら、やはりタッチ変わっていました。まぁ年齢と共に解釈も変わるだろうし、当然ですけれどね。それと、これはwikiよりの引用ですが、
【パルスの継続】
グールドは、パルスの継続という独自の演奏法を志向した。ここでのパルスとは、リズムの一定の基準のことであり、パルスの継続とは、楽曲全体をこのパルスによって束ねたうえで、即興的あるいは感情的なリズムの変化やルバートを排することである。ただし、これはリズムの硬直化やアゴーギクの排除を意味するものではなく、基本的なパルスを設定して、それを分割したり、倍加させることは可能である。グールドは、リズムの硬直化に対して懸念さえ表明しており、この点においてロックミュージックやミニマリズムに対して否定的であった。さらに、一部の楽曲では各楽章を通して可能な限りテンポを統一しようとする試みも行っており(その一例が後述のバーンスタインと意見を異にしたブラームスの協奏曲1番である)、この点もまたパルスの継続への志向の一つと考えることもできよう。こういった演奏姿勢は、コンサートをドロップ・アウトしたことともあいまって、評論家の間では、伝統破壊であるとか、アンチ・ヴィルトオーソ的であるなどと評されたが、グールドの晩年には、パルスの継続への志向が功を奏し、音楽全体の統一感がより顕著になり高く評価されるようになった。

専門用語があるので、
※ルバート
テンポ・ルバート は、訳せば「盗まれた時間」という意味であり、本来的には音符の音価の一部を奪い、他の音符に付与することを意味していた。したがって全体のテンポは変化しなかった。19世紀以降ではこの概念は退化して、柔軟にテンポを変えるという意味で用いられるようにもなった。
※アゴーギク
アゴーギク(独:Agogik)とは、テンポやリズムを意図的に変化させることで行う、音楽上の表現の一つ。ディナーミク(強弱法)との対比で速度法、緩急法とも言う。通常、同じ速度記号が適用されている間に行われ、テンポの揺らぎがその速度記号の示す範囲を大きく超えることはあまりない。ディナーミクと同じく、度合いは演奏者の裁量に任されている部分が音高や音価に比べてやや大きいため、演奏者にとって重要な表現方法のひとつであるが、ディナーミクと違って音価そのものに影響を及ぼしやすいので濫用は避けられることが多い。
日本では、俗に「(テンポの)伸び縮み」と呼ぶことがある。
※ヴィルトオーソ
私解釈で簡単に言えば天才演奏家。バロック時代の音楽家は自由に演奏される事を前提に記譜していたらしいのですが、バッハのみ意図的に楽譜を固定しようとしていたそうです。だからバッハに傾倒していたグレングールドはアンチだったのかもしれないです。

正直ヴィルトオーソの演奏は素晴らしいものですが、聴く側の好みで好き嫌いがあると思うのです。音楽の統一性での聴き易さはあると思います。

ゴールドベルク変奏曲→https://youtu.be/GH-AVPVdYuM
1955年、1981年聴き比べ→https://youtu.be/fJ59eJXb29A

で、結局まだグレングールドのバッハは一枚しか聴いていないので、今度は間違えずに坂本龍一セレクションのバッハ編購入して聴いてみます。(実はもう注文済み、まだ手元に届いていないだけ)


グレン・ハーバート・グールド Glenn Herbert Gould
1932年生まれのカナダのピアニスト。7歳にして王立の音楽院に合格し音楽理論、オルガン、ピアノを学ぶ。13歳でオルガン奏者デビュー、14歳でピアニストデビュー、王立音楽を最年少最優秀で卒業、簡単に言ってしまえば、天才ですねぇ。32歳の時のコンサートを最後に演奏会からは身を引き、録音やラジオ等の放送媒体に活動を移す。50歳で脳卒中が原因で死去。

早すぎますね。


グレン・グールド 坂本龍一セレクション

グレン・グールド 坂本龍一セレクション

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/12/24
  • メディア: CD




グレン・グールド 坂本龍一セレクション バッハ編

グレン・グールド 坂本龍一セレクション バッハ編

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/12/02
  • メディア: CD




J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル録音)

J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル録音)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: CD



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